対価があっても利益供与は違法?会社法の勉強での疑問【個人的学習メモ】

行政書士試験合格

行政書士の勉強中で気になったポイントをまとめます。

※ 有料版 Gemni、ChatGPT を活用しながらまとめた、個人的学習メモです。条文を引用するなどしてハルシネーション回避に努めておりますが、その点はご了承ください。

利益供与の禁止とは?〜会社法120条の基本

会社法には、会社が「株主の権利行使に関して」不当に金品などを提供することを禁止する規定があります。これが、会社法第120条「利益供与の禁止」です。

【参考】
https://www.crear-ac.co.jp/shoshi/takuitsu_kaishahou/kaishahou_120/

この条文は、たとえ形式上は取引に見えても、実質的に議決権の行使を誘導するためのものであれば、それは「利益供与」として禁止されるとする趣旨です。

なぜ「対価があればOK」が誤りなのか?

ぼくが見た参考書の問題文では、(だいたい)「相手方から会社に対価が提供されていれば、会社がこれに対してする財産上の利益供与は、禁止の対象とならない」とありましたが、これは誤り(バツ)と判断されます。

理由はシンプルです。

利益供与かどうかは、対価の有無ではなく、「目的や実質」によって判断されるからです。

多い少ない、ではない。

仮に、会社が「議案に賛成してくれたら業務を依頼する」として、株主に名ばかりの契約をして報酬を支払った場合、対価(契約)は存在しますが、実質は議決権の買収行為です。

このようなケースは、形式的に対価があったとしても、会社法120条に違反する行為とされる可能性が高いのです。

実際の判例や具体例でも禁止されている

過去の裁判例や実務上でも、形式的に「業務委託」や「顧問契約」などであっても、実態のない契約を通じて株主に金銭を渡すことは違法とされてきました

例1:株主総会対策としての謝礼金

  • 会社が特定の株主に「議案に賛成してくれたら謝礼を払う」として金銭を渡す。
  • ⇒ 対価の提供があっても、株主権行使の誘導であるため禁止対象

例2:業務委託契約だが業務実態がない

  • 表面上は取引だが、実態がない場合、実質的に金品の提供=利益供与とみなされる。

こうした例を通じて、会社法120条は「形式」ではなく「中身」を重視して規制するものであることが明らかです。


まとめ:形式に惑わされず、実質を見よう

このように、「対価があれば利益供与ではない」とする単純な解釈は危険です。

会社法は実質的に株主権の行使に影響を与える意図があるかどうかを重視しており、それが認められれば、対価が存在していても利益供与とされる可能性があります。

試験対策としても、実務対応としても、「対価があるか」ではなく、「なぜそれを渡すのか」という目的に注目することが重要です。

タイトルとURLをコピーしました