「自動車事故の損害賠償なのに、なぜ一部だけ請求するの?後から別で裁判をするつもり、とか?」
といった、行政書士の勉強中、いかにも法律の初学者らしい疑問が解けない(笑)。
ということで、民事訴訟法の周辺を少し勉強して、有料のAIに質問してみた結果を共有します。
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交通事故やトラブルで損害を受けたとき、裁判で「損害額の全額」ではなく、あえて「そのうちの〇〇万円だけ」を請求することがあります。
これを「一部請求(いちぶせいきゅう)」と呼びます。なぜそんなまどろっこしいことをするのか、その秘密は「コスト」と「裁判のパズル」にあります。
1. 損害賠償を全額請求しない「3つのメリット」
「全額一気にやったほうが早い」と思いがちですが、あえて一部に絞るのには賢い理由があります。
- 裁判費用(印紙代)を安く済ませられる裁判所に納める手数料は、請求する金額が大きくなるほど高くなります。例えば3,000万円を請求すると印紙代だけで9万円ほどかかりますが、100万円なら1万円で済みます。「勝てるかどうかわからない」という段階では、まず少額で様子を見るのが賢い選択です。
- 「責任があるか」をまずハッキリさせたい(テスト訴訟)損害全額(治療費や休業損害の細かい計算など)を証明するのは大変な時間がかかります。まずは少額だけ請求して、裁判所に「相手が悪い(過失がある)」と認めてもらうことに集中します。
- 負けたときのダメージを抑えるもし全額請求して「相手に過失なし」と判決が出てしまうと、その3,000万円分すべてについて「もう二度と訴えられない」という強い効力(既判力)が発生してしまいます。
2. 後から一部請求の「残りの金額」を請求できるの?
ここが一番気になるポイントですが、結論から言うと、「一部請求であることをハッキリ言っておけば」可能です。
法律上、これを 「明示の一部請求(めいじのいちぶせいきゅう)」 と呼びます。
成功の条件
- 訴状に明記する:訴状(裁判所に提出する書類)に、「損害3,000万円のうち、一部として1,000万円を請求する」とはっきり書く必要があります。
- 既判力のコントロール:ハッキリ書いておけば、裁判の結果(既判力)は「その1,000万円分」についてしか発生しません。なので、勝った後に残りの2,000万円を請求する裁判を改めて起こすことができます。
3. 過失相殺における「外側説」
一部請求の面白いところは、自分にも過失がある場合の計算方法です。判例は、原告に有利な 「外側説」 という考え方を採用しています。
【例】全損害2,500万円のうち、2,000万円だけ請求した。自分にも5割の過失がある場合
- まず、全損害の2,500万円から5割を引く。
- この「1,250万円」が請求額の「2,000万円」の枠内なら、1,250万円満額が認められる。
もし「2,000万円の5割」と計算されたら1,000万円しかもらえませんが、この計算方法ならより多くの賠償金をもらえる可能性があります。これが 処分権主義(第246条:何をいくら請求するかは本人が決める) を尊重したルールです。
まとめ:一部請求は「賢いリスク管理」
一部請求は、裁判という「負けられない戦い」において、コストを抑えつつ最大限の成果を狙うためのプロの戦略です。
- 安く始めて、勝てそうなら次を狙う。
- 自分に過失があっても、全損害額が大きければ有利。
民事訴訟法は、こうした「当事者の駆け引き」を公正なルールで支えています。

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