「定年まであと10年。子供も独立したし、家のローンも終わる。」
「でも、60歳から年金が出る65歳までの『空白の5年間』をどう食いつなごうか……」
そんなこんなで不安を感じ、行政書士試験に挑戦し、何とか1回目の受験で合格できたわけですが、似たような不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
そんな中、ふと「行政書士の資格を取って、地方議会の議員になる」という選択肢、ありなんじゃないか、と思って調べてみました。
「えっ、政治家? いやいや、そんなガラじゃないし」
と思いました?
実は今、このルートが50代・60代のサラリーマンにとって「ブルーオーシャン(競合のいない未開拓市場)」になる、かも知れない。
なぜこの組み合わせが成立するのか、調べたデータと法改正情報を交えて解説します。
町村議会議員に限らず、市議会議員や県議会議員すら、検討できるかも。
理由1:行政書士試験がそのまま「議員の予習」になる
まず、「なぜ行政書士なのか」という点です。
行政書士試験に合格するには、行政法や地方自治法を徹底的に勉強する必要があります。
実はこれ、地方議員が毎日使う「ルールブック」そのものなのです。
- 議会と町長の関係はどうなっているのか?
- 予算や条例はどうやって決まるのか?
- 住民監査請求とは何か?
普通の新人議員は当選してから慌てて勉強しますが、行政書士試験を突破したならば、「仕組みがすでに頭に入っている」状態からスタートできます。
兵庫県で話題になった100条委員会とか、そんなことも含めて、全部、行政書士試験の範囲です。
実際、試験の配点を見ても、行政法(地方自治法含む)は300点満点中112点と、全体の3分の1以上を占める最重要科目です。
つまり、「行政書士の資格を持っている」=「議員として活動するための最低限の知識(OS)がインストール済み」という証明になるのです。
少なくとも、当選したのに地方自治に関する用語がチンプンカンプン、ということはないです。
理由2:地方議会は深刻な「なり手不足」。実はライバルがいない?
「でも、選挙なんて勝てるわけがない」と思っていませんか?
ここで衝撃的なデータをお見せしましょう。
2019年の統一地方選挙において、町村議会議員選挙の約23.3%が無投票当選でした。
つまり、4人に1人は「投票用紙に名前を書かれる競争」すらせずに当選しているのです。
あなたの住む町や、実家のある村を調べてみてください。
「定員20人に対して立候補者が20人(定数割れ寸前)」なんてケースも珍しくありません。
国政選挙のように東大や早稲田などの有名大学を出たエリートと戦う必要はありません。
地元の役に立ちたいという思いと、社会人として培った経験があれば、十分に戦える土俵がそこにあります。
選挙に出るお金(供託金)も意外と安い
「選挙資金」と聞くと数百万円をイメージするかもしれませんが、たとえば、町村議会選挙の供託金は15万円です。
しかも、もし一定の得票数を取れば全額返ってきます(供託金没収点のクリア)。
退職金や住宅ローン、子育ての終わった50代、60代にとって、これが「人生を賭けたギャンブル」にならないことは明白です。
理由3:法改正で追い風!「年300万円」まで兼業OKに
これが今回の記事で一番お伝えしたい「最新の裏付け」です。
これまで、「議員が個人事業主(行政書士など)として、その自治体から仕事をもらうこと」は法律で厳しく制限されていました(地方自治法92条の2)。
せっかく資格があっても、「議員になったら行政書士の仕事ができないのでは?」という懸念があったのです。
しかし、令和5年(2023年)3月の法改正で、歴史的な規制緩和が行われました。
- 議員個人でも、年額300万円以下なら自治体からの請負が可能
これにより、以下のような「二刀流」が合法的に可能になりました。
- 議員としての報酬(月20万円程度×12ヶ月)
- 行政書士としての民間業務(相続、遺言、車庫証明など)←制限なし
- 自治体からの業務委託(空き家調査、相談員など)←年300万円までOK
「議員報酬でベーシックインカムを確保しつつ、行政書士として専門業務を行う」。
このハイブリッドな働き方は、収入を安定させたい定年世代にとって理想的なモデルになり得ます。
地方自治法 第九十二条 普通地方公共団体の議会の議員は、衆議院議員又は参議院議員と兼ねることができない。
② 普通地方公共団体の議会の議員は、地方公共団体の議会の議員並びに常勤の職員及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員(以下「短時間勤務職員」という。)と兼ねることができない。
第九十二条の二 普通地方公共団体の議会の議員は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。
理由4:60歳~65歳の「空白期間」を埋める最適解
多くの企業では60歳が定年、年金支給は65歳からです。
この5年間をどう生きるか。
再雇用で現役時代の半分の給料で働くのも一つの手ですが、「任期4年の地方議員」に挑戦するのはどうでしょうか。
- 60歳で立候補&当選 → 64歳まで議員報酬と行政書士報酬で生活。
- 64歳で任期満了 → 年金受給開始までの1年を貯蓄でつなぐか、再選を目指す。
行政書士として「先生」と呼ばれ、議員として地域に貢献する。
会社員時代のように満員電車に揺られることもありません。
自分のペースで働きながら、死ぬまで現役でいられるキャリアの「二刀流」です。
まずは「リサーチ」と「試験勉強」から
いきなり「立候補します!」と宣言する必要はありません。
わたしも研究中ですが、まずは水面下で準備を始めてみると良いでしょう。
- 地元の選挙状況を調べる:前回は無投票だったか? 倍率は?
- 行政書士試験の勉強を始める:合格者の約2割は50代です。今からでも全く遅くありません。
- 政治連盟を知る:行政書士には「政治連盟」という組織があり、選挙の際に推薦や支援をしてくれるケースもあります。
そこに書かれている法律の条文が苦じゃないなら、「第二の人生の招待状」に見えてくるかもしれませんよ。
「まだ考えているだけ」でも構いません。
まずは書店で、行政書士のテキスト(特に行政法・地方自治法のページ)をパラパラとめくってみてください。
参考リンク・データ出典:

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