社会生活に「交渉」を有する事項?「公証」じゃなくて?【刑法】

予備試験合格

※ 勉強中にふと思ったことを 有料AIも使いながら書き記していきます。ハルシネーションがあっても、どうか、ご勘弁を。

「交渉」と「公証」。

私文書偽造罪(刑法159条)の要件を調べていて、「社会生活に交渉を有する事項」という表現に「誤字じゃないの?」と手が止まりました。

今回は、この「交渉」の意味と、勘違いしたポイントを整理してみます。

【刑法159条】「社会生活に交渉」は誤字じゃない~私文書偽造罪の重要キーワード

法律の勉強をしていると、耳慣れない言葉によく出会います。

「社会生活に交渉(こうしょう)を有する事項」というフレーズに疑問が。

「公証(役場などで証明すること)」の間違いだと思ったのですが、「関わり(関係)がある」という意味の法文・判例用語でした。

1. 「交渉」=「社会的な関わり」のこと

私文書偽造罪の対象となるのは、以下の2種類の文書です。

  1. 権利・義務に関する文書(契約書、借用書など)
  2. 事実証明に関する文書(履歴書、証明書、答案など)

この「事実証明」の定義について、最高裁(最決平6.11.29)はこう述べています。

「実社会生活に交渉を有する事項を証明する文書」

ここでいう交渉とは、ディベートや取引の交渉ではなく、「社会的な利害関係や連絡、関わり合い」を指すらしい。

つまり、「世の中の仕組みの中で、何らかの意味を持つ事実」であれば、この「交渉」に含まれるわけです。

2. 「大学の試験答案」はなぜ私文書偽造になるのか?

判例では、大学入試の答案もこの「事実証明に関する文書」に当たるとされています。

「テストの答えを書いただけじゃないか」と思うかもしれませんが、答案は「志願者の学力の証明」という、社会生活において極めて重要な(合否を左右する)事実を証明するものです。

だからこそ、「社会生活に交渉を有する事項」として法的に保護されるのです。

3. 「名義人の承諾」があってもアウトなケース

「偽造」の定義は、一般的に「作成名義人と作成者の人格の同一性を偽ること」です。

通常、名義人の許可(代筆の依頼など)があれば「偽造」にはなりません。

しかし、ここには重要な例外があります。

身分や資格、能力の証明など、その性質上「本人以外が作ることは許されない文書」

例えば、以下のケースを考えてみましょう。

  • 替え玉受験: 本人が「代わりに試験を受けていいよ」と承諾していても、試験答案は「本人の能力」を測るもの。他人が書けば、それは「偽造」になります(最決昭56.4.8)。

まとめ:交渉と公証

「公証」という言葉は、公証人が作成する「公正証書」などの文脈で使われます。

一方で、私文書偽造罪の成立範囲を広くとらえ、社会的な関わりを重視する文脈では「交渉」が使われます。

  • 社会生活に「交渉」: 刑法159条(私文書偽造)のキーワード
  • 事実を「公証」: 公的な証明。公文書偽造に近いニュアンス

一字の違いで意味が変わる法律用語。

この「交渉」の意味を正しく理解しておきたいところ。

わかりにくいなあ(笑)。

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